MVP Global Summit
http://mvp.microsoft.com/summit
MVP 自体は 4年目なのですが、Global Summit に行くのは初めて。さっくりとツアーで行ってツアーで帰ってくるつもりだったのですが、同室の方の都合で最終日まで Red Lion に1日伸ばしでした。セッションの会場はマイクロソフト社内なので、ホテルからバスで送迎だし市内から遠くてもあまり変わらんですよね、安いし(ツインで120$ だったので、延長分はひとり頭 60$ でした)。
初日のベイエリアの観光以外は最終日の午後にベルビュースクエアを回ったぐらいで、碌な観光もせずに勉強会のノリで行ってきました。ぎっちり、3日間ひとりでセッションを回ってきたのでほぼ英語漬けの毎日ですが、なんか、あのスピードの英語ヒアリングはつらいです。スライドとかデモをやっているときはいいんだけど、ディスカッションになって(スライドの途中でも容赦なく質問をして、容赦なくディスカッションになってしまうあたり欧米風なのか、やっぱり言いたい MVP さんがたくさんやってきているのか)しまうとかなり辛い感じ。GAG のところが笑えないのは、今後ヒアリングを第一に勉強しようという原動力にはなるかもって感じです。やっていることは、所詮コンピュータ関係なので、概要は聞き取れるし、込み入って難しい話になればこれは英語でも日本語でも難しい話になってしまうので、同じことです。セッション中に手を上げて、スライドの途中でも止めてしまうスタイルは、.NETラボで発表するときにでも取り入れていきたいですね。スライドを淡々と読み上げると眠くなってしまうので、デモを交えてという工夫をやるのですが、質疑応答…というか議論自体が間に挟んでしまえばスライド自体ほとんど要らないという利点もあります。あと、顔を合わせている「勉強会」なりのメリットもあるでしょう。
F# のランチセッションで、替え歌に合わせて OWIN を解説するってことをやっていました。以前、プロ生で西山さんがギターの弾き語りセッションをやっていましたが、ああいうノリもありかなと思ってます。日本の勉強会だと世代差が気になる感じだけど、グロサミに出て手を上げているガリガリ質問しているのは50歳以上っぽい人(私よりちょっと上ぐらい)だし、そういうかき回し方もよいでしょう。
私が主に行ったのは、IoT のセッションです。Visual C# ってところで、ASP.NET vNext と Roslyn 、Xamarin はちらっと回ってきて、後は IoT に入り浸っていました。セキュリティ F# セッションってことで、てくてくと雨の中を歩いて聞いてきましたが(10人ぐらいいて、部外者が2人な感じだったよw)、ほとんどは Embedded のところです。Microsoft Band のページを調べていて、話しかけてきたおじさんに(自分もおじさんですが)、Raspberry Pi やってて、これから Spilder で勉強するつもりなんや、って話すと、Splider でバーベキューの温度を測る機械を作っている(らしい)ページを見せてみせてもらいました。あと、なんか前のほうで、Not NDA のページをセッション資料を作っている人がいるなーと思ったら、最後の LT(10分ぐらいのミニトークで、MVP が発表する)で、組み込み機器は「Wife のように扱えるといい」(英語を忘れました)という、ヒーターとかオートロックとかをまとめて Windows Phone のアプリにしたりしている人でした。「Wife のように~」のところで、皆が爆笑しているのであれは流行り(独身が多い?)なのかも。組み込みの場合は、年齢層が高.くて、Windows CE、Windows Mobile から、Windows XP Embedded な人が多いですね。完全に組み込みな、.NET Micro Framework のときは質疑応答が少なかったので、少しジャンルが分けられているようです。
Microsoft’s fitness band: What kinds of software and services are inside? | ZDNet
http://www.zdnet.com/microsofts-fitness-band-what-kinds-of-software-and-services-are-inside-7000035344/
Windows 10 に統合して、4つの分野に Framework を分ける、っていう話は、Tech Ed Europe で発表されているもので、NDA ではありません、よね。Windows Phone や 従来の Surface RT のような Windows RT は Windows 10 “Mobile” になって、従来の .NET Compact Framework は、Windows 10 “Athens” になるってことです。更にコンパクトになっている組み込みに使う .NET Micro framework は通りに使われる感じです。Microsoft Band の UI は、Windows 8.1 のスタート画面風なので、Embedded 8.1 か Windows Phone ベースなのかなと思っていたのですが、スライドを見るとそれっぽい時計の絵が描かれているので、ひょっとすると .NET Micro かもしれません。.NET Micro は情報だけはちららと追っていたのですが、今年の夏にやっとこさ Splider を買ったぐらいで、netduino の存在は知らなかったんですよね。
2010年頃にすでに発表があって、日本で買えたりしてました。「してました」って過去系になっているのは、スイッチサイエンス社が在庫切れになったままで、新しい netduino plus 2 を扱っていません。コネクタ等が arduino 互換なので、外部機器を共用するならば netdouino のほうがいいかなと思っています。まあ、コードの接続がややこしいですが、ハルロックを読んで頑張りましょう(ちなみに、ハルロックには基板解説とかは出てこないので、やる気だけを貰うということで)。
日本の IoT と海外の IoT の違い
Microsoft 技術からの視点なので、本格的に Raspberry Pi とか Aruduino から見たら(半田付けする、という点で)違うかもしれませんが、グロサミに行った感じでは、日本と海外(欧米)とでは結構違いがあります。
私は Kinect や Leap Motion を扱わないので(あと Oculus Rift DK2も)そのあたりはよくわからなくて、日本の組み込み系は MS太田さんオンリーなのかなと思っていたりするわけですが、Raspberry Pi や Aruduino で何かモノを動かそうと思うと、もうちょっと周辺の器械を活用しないと駄目ですよね。さきほどの MVP ライトニングトークスで出てきた、デカいモーターや、ごついドライヤー(温度センサーを温めるらしい)、デカいタッチディスプレイを担いでくるあたりが、海外の IoT さんの面白いところです。
確かに、Windows Phone を買ったり、Surface Pro を買ったりするのもいいんですけど、同じ値段ならば、Rspberry Pi を買ったり、Aruduino 用のセンサーを買ったりするほうが、「よりたくさんの機器が買えるんですよッ!!!」。まあ、センサーにも色々あって結構な値段はするし、Lego Mindstorms EV3 は Windows Phone と同じぐらいの値段になるので、どっちを買っても一緒ではあるのですが(苦笑)。
そんな訳で、日本の IoT は、Internet のほう(Windows Phone とか Surface とか)から入っている感じがしますが、欧米の IoT は、Thing のほうから入って来てます。周辺機器の豊富さもあるのかもしれませんが、もともとある DYI の精神なのかな、と思ってます。家のガレージに工具を置くことあができたり、広い公園でラジコンやロケットを飛ばしたりするのが普通の環境じゃないと、あの発想はできないのでは?ってな感じです。
じゃあ日本はどうやって IoT というジャンルを確立していくのか?というと、同じ方面じゃなくてもよくて、ロボットでも踊りでもARでもVRでもよいのですが、もうちょっと海外と対抗するような視点を持ってモノを作ってもよいかなと思いました。Oculus も初音ミクもMMDもすごいといえばすごし、そこそこ手軽に実現ができるようになってるし、日本でやっている人が多いから日本語で情報が得られるので、初手としていいのはいいのでしょうが、そのまま海外(欧米)に持っていくと違和感アリな感じです。それを日本独自の文化と捉えるか、違和感のまま捉えるか、ってのがあると思います。勿論、日本のアニメ文化の延長上でという感覚もあるんですが。
そんなこんなで、自分としては今まで通りニッチなところかつ、海外で受け入れやすいスタイルで、Raspberry Pi を扱っていきます。いつかの IoT のセッションを見ていくと、海外(欧米)が特に進んでいるという訳でもないし(同時に日本が取り残されている訳でもないし)、いくつかの面では高速道路も準備されて、マス的な Microsoft Band のような当たりを日本で作るのは難しいでしょうが、もっとバリエーション(機器の組み合わせてという意味で)を作って、それを実現するときに、.NET Framework + Xamarin + Raspberry Pi/Netduino + AllJoyn のようなスタイル確立できるかな、と思って帰ってきました。ひとまず、.NET Micro framework が動く netduino を試してみるのが初手、つーか、その前に FEZ Spider Starter Kit ぐらいは開封せねば。
英語のヒアリング
ディスカッションをするには、英会話が必須なんですが、TOICE 300点前後(程度だよ。たぶん。10年前ぐらいだけど)の自分としてはヒアリングをやらないといかんと痛感です。たまに channel 9 とか TechEd の画像を流しっぱなしにして仕事をしていますが、スライドとは関係ないところで話をしていると途端に分からなくなります(キーワードを拾い集めて、おおまかな意味から推測するってことをやっているので)。コンピュータの本は洋書が多いし、MSDN で英語文にあたることが多いから、英文をざっと読み込むことはできるし、英文を書くときは Google 翻訳を使ってほぼコピペで流すことはできるのですが、カンファレンスのヒアリングは難しいですね。自分の後ろの席で、自動翻訳っぽい音が聞こえた(英語じゃない言語で、ちょっと遅れで話している感じ)ので、そんなのを使うのもアリなんでしょうが、やっぱり、英語は英語のまま理解するほうが脳への負担は少ないと思われます(疲れにくい、退屈して眠りにくいっていう意味で)。
レッドドワーフ号のイギリス英語のほうが少しわかりやすいけど、アメリカ英語と聞き取りづらいのはなまりの問題もあるかなーと思うけど、まあ、すべてとは言わなくても半分ぐらいは英語のまま理解したいですよね。お金を払って英語のセッションに行って、英語が聞き取れなかったら意味がないわけで(グロサミ自体は MS が会場費を持ってくれているけど、日本からの旅費は自前だし)、これは早急にやり始めないとという感じでした。
因みに、日常的な英会話も不便な私ですが、相手に話すときは「文法通りに話す」と意味が伝わりやすいです。文法通りってのは前置詞あれこれってのもあるのでしょうが、SVO を守って、3単語ずつしゃべればだいたい通じます。どう聞こえているか分からんけど、相手にとっては外人だから許してくれるでしょう。…つーか、経験上、意図を正確に伝えたいときは文法通りに、雰囲気を伝えたいときはジェスチャーでって感じ。ビジネスのときは困るだろうけど、街中歩くときと、同じプログラマの人と話すときはこれで十分かと。