<愚痴>
今回の仕事で痛感したのは、単体テスト(UnitTest)を活用してないプロジェクトは全然駄目ということですね。品質に理解があるようでいて理解/実践がないし、設計、レビューを繰り返したとしても正常に動作するあるいは作成可能であるかの保障がありません。
そうなると「SIer>下請け」ヒエラルキーの元で、割を食ってしまうのは下請けのプログラマです。単体試験の工費を貰えず、単体試験を省けば、不具合/障害の責任はプログラマにある。また、単体試験を行えばスケジュールに合わない。余計なことをやっているとみられる。時間を削られれば学習の時間(次への投資)ができなくなる。じり貧になってしまうのは、下請けの底辺プログラマばかり。
というわけで、今後そういう仕事は請けないことにします。
</愚痴>
な訳で、インストールマニアックスでPHPを少し触ったことだし、ASP.NETの開発者よりもPHPの開発者が多いわけだし、あるいはJava開発者が多いし、ということで、PHPとMVCあるいはMVVMの組み合わせはどうかな?とざっと調べてみました。
目的は、
・PHPの開発者が理解できる標準的なMVCモデル
・PHPの軽さ/手軽さを活かした開発スタイル
・基本はLAMP(Linux+Apache+MySQL+PHP)
・単体テスト/PHPUnitは必須
・自社開発の効率化/品質Up
・できれば、巷のオープンソースに組み込みやすい/流用しやすい
なところです。
PHPと他各種言語の比較記事
http://phpspot.org/blog/archives/2007/01/php_69.html
PHPUnit3で始めるユニットテスト
http://gihyo.jp/dev/feature/01/php-test/0001?page=1
PHPフレームワーク ちいたん
http://php.cheetan.net/
軽量なMVCフレームワークの自作(改訂版)
http://codezine.jp/article/detail/104
CakePHP
http://cakephp.jp/
CakePHP プログラマーズ リファレンスガイド
http://cakephp.jp/doc/
ざっと調べてみると、フレームワークとしてはCakePHPの評判が良さそうです。ただし、Ruby on Railsの影響を強く受けているみたいなので、Railsを知らない人/好きでない人にとっては、メリットが薄れます。ちなみに私は「Railsを知らない人」です。
現在、PHPを使ってWEBアプリを作るメリットとして、
・PHPの開発者は比較的多い(文法が簡単だから?)。
・LAMPのひとつとして確立されている(メジャー度)。
・レンタルサーバーではPHP、Perlが入っているところがほとんど。
なわけで、安いサーバーを使って、広く技術者を求めることが可能、かつ顧客にも説明しやすいというメリットがあります。
デメリットとしては、
・負荷の話になると、Java/.NETが有利
・データベース接続がMySQLが基本?(既存のOracleに接続するとか)
・クラスが一般に認知されていない?(PHPのクラス解説ブログ/ページは少ない?)
よって、開発者が減る。
・Visaul StudioやEclipsのような開発環境が無い?(インテリセンスとかコンパイル時エラーとか)
なところでしょうか。
あと、うがった話で言えば「PHP開発者が大勢いるといることは、Javaや.NET、C++ほど優秀な人が少ない?」という偏見も出てきます。これはよくわかりません。モデルの会話とか、フレームワークの会話を実際にしたことがないので。なんかいい勉強会とかありませんかね?
# ちなみに Java の人と会話すると、直ぐにインターフェースとリスナーを駆使したクラス至上主義なモデルになってしまい困りものです。.net だとデリゲートがあるし、Rubyはメソッドを追加することができるし、と言語特有の特徴/有意性があるので、JavaライクなC#コードを書かれても、困るんですが。
さて、ASP.NETにもMVCフレームワークというのがリリースされていますが、何もその実装フレームワークを使わないとMVCモデルが実現できあい訳ではありません。先のエントリにも書きましたが「モデル」≠「実装」という実現の仕方でもよいのです。
特にMVCモデル(Model-Viewパターン)はViewを分離させようという発想、自動化できるUnitTestを使おうという発想が先にあるので、ここをきちんと押さえないと、ただ何かのフレームワークを使っている(お仕着せのライブラリとか)になってしまいます。
MVCフレームワークが気持ち悪くなってきた
http://d.hatena.ne.jp/ghostbass/20081126/1227673389
そういう点で私は上のエントリに同意します。
おそらくJavaのStrutsの影響を受けると、本来のMVCモデルが失われてしまうのかな?と。
少しPHP-MVCモデルと離れますが、思いつきを書いておきます。
PHPの大きな特徴は大抵のレンタルサーバーで使えることです。ですから、WEBサイトの数々の管理ツールをPHPで書いておくことは大きなメリットです。たとえ、サイト自体がJavaやASP.NETで運用されていたとしても、マスター管理の画面など管理者が使う画面をPHPで書いておけば、作成や改修にそれほど時間/工数をかけずに済みます。PHPのインストールは必要でしょうが、特定のPEARに依存せずインストールが楽になれば、別の言語であっても構わないのです。顧客向けのページをJavaやASP.NETで作成し(お金をかけ)、少数の管理レベルであればコマンドライン制御も含めて、PHPで手軽に書く(お金をかけず)、という適材適所の思想が必要です。そう、建築と同じで、どこでも檜を使えばいいってもんじゃないでしょう?
このとき、マスター管理などの画面を作るのに導入コストがかかるフレームワークは避けたほうがいいでしょう。勿論、同じ言語で同じ技術者で作りたい気持ちも分からないのではないですが、それだけ無駄なコストが掛かります。オーバースペックなわけです。
となれば、手早く作る部分には下記の要件が必要です。
・軽量なPHPのフレームワークであること。
・頑健であること。
・導入/学習コストが低いこと。
・不足を補う方法が用意されていること。
先の2つは軽量/頑健さを求め、複雑を排除します。単純であれば学習コストも減るでしょう。拡張性をトレードオフしますが、一定の複雑さを求めるのであれば、別のフレームワークを使うか、javaなりasp.netなりを使えばよいのです。
不足を補う部分を具体的に話せば、巷のオープンソースはPHPのコードをPHPから出力する自己記述を行いうまい具合に閉じていますが(これはこれでいいのですが)、何もかもこれでやるのは無理があります。
なので、設定自体をExcelで書くとか、コードの自動生成をExcelから行う(あるいはJavaのコマンドを使う)などの組み合わせがあってもいいはずです。
# 逆に何もかもExcelというのも無理があります。
こういう観点からPHPにMVCモデルを組み合わせると、いくつかの案がでてきます。
おそらく「ちいたん」がそれに近いと思います。
・VB6.0でCOMを扱うような手軽さ。
・VB6.0でCOMを扱うような頑健さ。
・中身が容易に想像できること。
・設定が一か所にまとまっていること。
・テストツールが用意されていること。
VB6.0とCOMの繋がりは非常に疎ではありますが、疎結合ゆえにメソッド/プロパティが用意に想像できる単純さを持っています(中身は複雑ですが)。
この外見の容易さは、車のハンドルを左に回すと、車が左に曲がるというアクションと動きの一致の重要さに通じます。見えない構造はどれだけ複雑でも構いませんが(実際CPUの回線は複雑だし)、活用する場面においてその複雑さを表に出してはいけません。
なので、MVCモデルを導入する際も、「中身が容易に想像でき」、インターフェースを眺めることができるように「設定を一か所にまとめる」工夫が必要です。あちこちのファイルを修正しないといけない実装は、ケアレスミスを誘発しますし、学習コストを押し上げてしまいます。
そして、忘れていけないのが、設定がきちんとできているか、その実装は思った通り動いているのかをテストするツールが必要なのです。最近、SQL Serverでは設定のチェックを行うようになりましたが、ほとんどのフレームワークは自己テストを行いません。
私がいささかスクリプト言語を敬遠するのは、コンパイル言語であればコンパイルすれば取れるエラーが、スクリプト言語の場合実行時にしか取れないことが多いためです。
# perlには文法チェック -wc というオプションがあります。ruby の場合は -c かな。
これだけ頑健にしておき、実装時のエラーが取れていれば、あとは開発者が作った独自のコードのエラーを取るだけです。UnitTest のフレームワークを活用しておけば(これが必須なのですが)、その延長線上でテストを作ることもできるでしょうし、本来 Model の UnitTest が実践できるという、MVCモデルの発端の思想に沿うものができます。
というわけで、無事 PHPとMVCモデルに戻ってきたわけですが、このあたり、実装できているMVCフレームワークは欲しいですか?
今回、こちら側はお願いしているのですが、結局JUnitの結果は納品されないしビッグバンテストだし、で
最低限動いてますが、やってることは開発会社のテスター(デバッグ環境なし)なんで、ちょっと
どうしようもないですね。。
MVCモデルと言ったって通用しない人が開発者な場合もあったりします。。
どうも裏でオフショアに回してるらしく、対応も遅いです。
CMM レベル0 って奴ですね。。。現場的にはJUnitもMVCモデルも浸透度が様々ななのでネットで議論されているように理論的にはいかんでしょう。オフショアのような会社特有の事情もあるし。
多分、
・JUnitの実例(現在のソースを使って実例)
・MVCモデルの解説と、現在の設計/ソースへの反映の仕方
からスタートした方がいいと思う。勉強自体を開発会社自体に任せるのが通常だけど、駄目な場合は発注元がやってもOKだし(実際、発注元が勉強したほうが「来い」と強く言えるのでいいんだが)。
日本酒付きの夕飯でも貰えれば、出っ張っていってもいいけどどうでしょう?
# 最近はスラムダンク(現在40話め)を見ながら、家で原稿を書いているだけだし。
いや~今回はこじれてますね。。
サーブレット.javaだけでMVCを押し込めてますから、もうどうしようもない。
基本的には、そこまで細かくみないほどの額を支払ってるんですが。。
技術部門の人はいるんだけど、開発者には伝わってない、みたいです。
使い続けるか、みたいな話&お金の話になっちゃってるので、もう末期です。
開発会社に対してそこまで権限はないんですが(上司・部長・本部長がいて)、
本当に指導してもらえたらと思いますよ。
というか、そういうコンサルタントって実はかなり必要なんじゃ??
結局、ソースを書くのは1~3年目の人になっちゃってるので。。
別にMVCだから必ず出来るとか、MVCじゃないから上手くいかない訳ではないので、まぁ、教育的な配慮のミスなんでしょうね。なんとなく設計ミスの匂いもするけど。
設計コンサルタント(アーキテクト?)の存在は大きいと思うよ。プロジェクトマネージャの計画性も重要なんだけど、最初の設計がまずいと後までひっぱるし、結局のところ工数/工費に大きくかかわってくる。
先の仕事だけど、設計がまずいからコード量が3倍以上になってるし、人数はそれ以上になってしまっている。
> 使い続けるか、みたいな話&お金の話になっちゃってるので、もう末期です。
先行きの費用をシミュレーションして計画を立て直した(捨てた)ほうがいいんじゃないかな?決定するのは本部長レベルかもしれんけど。
思い付きだけど「3分間プロジェクト・クッキング」ってのを思いついた。
以前の構想だけど、
・機能数の概算値
・予算/費用
・工数/期間
を3分ぐらいで試算することは可能。そのうちブログに書くので先々の参考にして。発注側に役に立つと思うから。
参照どうもありがとう。
参照されたエントリーからしばらくたって考え方が若干変わってきてます。
売られてるフレームワーク解説書だとM部分の作り方が良く分からないのですよね…
古い記事ですが、MVCのネガティブな意見の代表にさせていただきました^^;
MVC関係の本は昔からいくつかあるんですが、確かに本の書き方が曖昧でしょうね。というか、著者によって突っ込みどころがまちまちなので、一概に何がModelで何がContrllerという切り分けがし辛い。実装上、こういう風にしたほうがいい、ってのが私の持論です。いわゆる「MV○モデル」ってことで。
そもそも何故MVCにするのか?そして、実装上/実運用上MVCモデルで作ったときと作らなかったときで、どれだけのメリット/デメリットが発生するのか?を誰も比較検討していません。これをせずに、理想論としてのMVCモデルを求めたって意味がないわけで(遊びとして面白いけど)。
最近思ったのは、MVC/MVVMモデルで、
・Viewのテストができる。
・Modelのテストができる。
・Controller/ViewModelのテストができる。
というテストの分離の話があったのですが、あれは違います。
MV*モデルは自動生成も含めて、MDA(モデルドリブン)的に作れるので、Modelあるいは、Controller/ViewModelのどちらかが自動生成かつテスト不要にならないと、分離していることの意味がありません(勿論、n層分離としてのMV*モデルの適用もあるわけですが)。
なわけで、ゲーム業界で使われているLUAをキーポイントにすると、MV*モデルも見え方が異なるのかな、と思っています。この話は別途エントリを書く予定です。