粘菌コンピュータの続きを20分ほど。
時間に関して決定的な解決ができる場合と、決定的でない解決の場合の2種類があるわけです。
数学的に言うと、
「発散」、「収束」がありますね。よくやる n を無限大にすると、収束する、という計算です。
nを無限大という条件自体は、時間である t を無限大にする、という計算にも置き換えられます。
さて、この数学的に収束する場合ですが、実は3種類あります。
発散と、収束と、振動ですね。
(「振動」だったかどうか、ちょっと覚えていないのですが、この用語は後で調べるとして)、
発散の場合は、t を無限大にしても、値が特定できないパターンです。
一般的な発散の式も当てはまりますが、複雑系のようなバタフライ効果も、これに当てはまります。
収束の場合は、逆に t を無限大にすると、ひとつの値に定まるパターンです。
これは、t が無限大という点で、無限時間ということになりますが、実際に計算するという事実とは離れて、「計算可能」という範囲で、値が定まる、というパターンも含めます。
これが示しているところは、
1/t の t → 無限大 は、容易に 0 と推測できます(あるいは、証明もできます)。
更に、
円周率 π は、一定の値である(発散しない)という計算も、求められます。
ご存じのとおり、π の値は、3.141592… と延々に続くわけですが、πという仮想的な値に定まる、ということは証明がつくわけです。
# 余談を云えば、10進数では、πの値は、3.14… になりますが、π進数では、1 ですね、という話です。
さて、もうひとつは、振動の例です。
この振動の例は、簡単なものがあって、
sin ( t ) の場合、t を無限大にした時は、どうなるかというと、不定 … いや、1から-1間に特定できます。
これは、発散とは違って、予測可能ではあるが、その時の値は特定できない、というパターンです。
予測可能であるが、その時刻には特定できない、ということは、無限大の時間空間の中で、ある時刻の値は特定できるが、ある時刻自体が非決定(あるいは、揺らぎがある)という場合には、値そのものは決定的ではない、ということを示し、かつ、おおざっぱなところでは比較的決定的であるという、少し不思議なパターンになります。
この例は、卑近なところでは、ニュートン力学と量子力学の関係になります。
例えば、
ボールを投げたときの着地点は、ニュートン力学において、決定的です。
ですが、空気抵抗などの揺らぎを考慮すると、量子力学的に、不定になります。
この狭間は、一見非連続に見えますが、実は連続的なものです。
非連続というのは、ニュートン力学から量子力学の分野の計算になった、という点で非連続的に見えるのですが、物体そのものが変化をしない(ボールという物体そのものは、観察者に関わらず、ひとつである … という仮定ではありますがw)、ので、物体という軸においては、連続的という訳です。
勿論、量子力学で学ぶ、「観察者」の存在は重々承知しているわけですが。
そんな訳で、
計算をしても発散してしまう問題。
計算をしていけば収束する(あるいは、数学的に収束が証明できる)
という分野とは別に、
計算していくけど、大ざっぱには求められるが、厳密には求められない、という量子力学風な(というのか、複雑系な)話がでてきます。
ああ、粘菌コンピュータの話になかなかつながりませんが、もう少しで辿り着く予定です。