粘菌コンピュータで、少し思考実験。
粘菌コンピュータとは言っても、別に未来な話ではなくて、現実にある話で、
粘菌コンピュータ – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B2%98%E8%8F%8C%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF
なところで、真面目に研究しています。
生物学の有機的な話と、コンピュータの無機的な話をつながるのは、結構昔からあって、初出であれば「ライフゲーム」です。
ライフゲーム – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0
ライフゲームと、粘菌コンピュータの似ているところは、
- ルールが単純なところ(あるいは、単純なルールがあるところ)
- それぞれの個体が独立して動くところ
にあります。
正確に言えば、ライフゲームは場自体にルールがあって、それ上を点が動くので、点の集まりが生物である(多細胞、あるいは、多分子という意味で)、粘菌とは若干違うのですが、ライフゲームの子孫が、「エージェントシステム」に、伝わっているので、結構関連がある話です。
マルチエージェントシステム – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0
このエージェントシステム(マルチエージェントシステム)は、個体にルールを持たせてシミュレーションをしようという考え方で、場全体をモデルに当てはめて多項式なんかで解く方法(パズルの解法や、巡回セールスマン問題なんてのがそう)とは違って、予想できない結果が得られる(あるいは得てしまう)という点で、普通のコンピューティングとは違っています。
このあたりを、ちょっと図にすると、通常のコンピュータ(アルゴリズム)による解法はこんな感じ。
とある、場があって、その中にある個々の相互作用を一度に計算します。
解法上、時間軸に依存しないことが多いので、その時点の解答が得られます。
… って、何のことを言っているか分かりませんね(汗
例えば、2+3の答えば、常に5ですよね。
これは、1年後でも100万年後でも同じ。
これが、時間軸に依存しない解答という訳です。絶対的に決まるって奴ですね。
と、
逆に、時間軸に依存する解答というものがあります。
こんな風に、とある注目する物体との相互作用のみを観察します。
場は、注目する個体との相互作用の集合、という概念ですね。
これが先に話した「エージェント」という話です。
さきほどは、場自体が決まっていたわけですが、今回は、場は個体に依存します。
だから、場を無限に広げれば、個体は同じ動作をするって訳(ライフゲームとか)なんですが、まあ、それはさておき。
これが、どうして時間軸に依存するの?というのは、
とある個体(A)と、相互作用のある(B)という個体の関係は、
- AからBへの作用
- BからAへの作用
という計算による算出できるわけですが、エージェントによるコンピューティングの場合は、この作用の順序は、交換不可能なんですよ。
ええと、数式で表せば、
A・B ≠ B・A
ですね。
作用する順序が異なると、結果が異なる。
数学をちょっとやった方ならば「行列」の掛け算を思い出すといいです。
これ、先の「2+3」のような話で言えば、
A・B = B・A
な訳です。交換可能な式。
この違いがなんなのですか?
という話は、つまりは、AにBを掛けるか、BにAを掛けるかという、「順序」の違いなんですね。
後なのか、先なのかという問題。
つまりは、「時間」の問題になるわけです。
そういう訳で、場を中心にしたアルゴリズムは、時間に関係なく計算できるわけですが、エージェントを利用した場合は、時間によって解答が違うわけです。相互作用が時間に依存しているためです。
・・・粘菌コンピュータになかなか繋がりませんが、ひとまず休憩。
とりあえず、スレに書き込んだら、
粘着コンピュータはします。
もちろん、時間のある限りw
そんな貴方には、
3Mの強粘着ポストイット
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が、おススメ。
粘菌の話は、粘着質に続くのです。
みなさんうまいですね。本質には触れていませんが・・・